温室について

飼育方法

冬になると必要になる温室。外国産に限らず、国産オオクワの飼育にも温室は必要です。国産なら無くても飼えないことはないですが、秋冬も20~25℃ぐらいの温度をキープすることで、幼虫を活発に活動させ、1年で羽化させることが可能になります。自然界では2年かかりますが、飼育環境下で2年も待っていられないでしょう。1年でも長く感じますからね~。外国産の場合は、カブト系は確実に日本の冬は耐えられません。自分の経験上15℃ぐらいがしばらく続くと★になってしまいます。クワガタの場合は、10℃以下になると危険です。

そこで温室を利用するわけですが、どんな温室を利用していますか?初心者の方は結構悩むところではないでしょうか。私も非常に悩みました。そこで自分の経験からお奨めの商品などをご紹介します。

現在私が利用している温室

現在私が利用している温室は、【ピカコーポレーションのFHB-1508S】です(上の写真)。高さ150cm、幅90cm、奥行き43cmです。値段は1万5千円ぐらいです。冬にホームセンターや園芸店に行くと温室コーナーができていますので、そういったところに必ず置いてあります。冬場の定番品となっています。オオクワ飼育だけでなく、ランの栽培や観葉植物、爬虫類の飼育などにも利用されているようです。ネットでもよく販売されています。Yahooのショッピングかオークションで検索すれば、大量にでてきます。


初心者の方にはちょっとでかいなと思われるかもしれませんが、幼虫を100匹ぐらい飼う様になるとこれでも小さく感じます。私は初め園芸用の鉄パイプとビニールカバーで出来た簡易温室を利用していたのですが、小さいのですぐに一杯になってしまいました。また結構設置スペースを必要とする割りにあまり容量が大きくありません。本格的にオオクワ飼育を始め、いずれ菌糸ビンを50本ぐらいまで管理するようになるなら、初めからガラス温室を利用した方が良いですね。

右の写真の網棚が6枚ぐらいついています。この棚1枚で丁度1100ccの菌糸ビンが16本、1500ccの菌糸ビンが9本置くことができます。私は自作の棚枚と追加棚4枚を使っています。追加棚は2枚で2500円ぐらいです。これもネットで購入できます。上の写真のように棚を設置すると12のスペースができます。1つのスペースの高さは丁度菌糸ビン1本分です。これで理論上MAX192本の菌糸ビンが収納できますが、ヒーターなども設置しなくてはならないので、100本を超えるとかなり一杯一杯です。


次にヒーターですが、【パネルヒーターNS-150】を利用しています。製造元は、昭和精機工業株式会社。AC100V、150W、直径124mm×高さ133mm。値段は1万円前後(結構高い)。200Wや250Wの物もあります。FHB-1508Sを利用する場合、150Wでは多少パワーが足りないかもしれません。しっかり断熱すれば問題ないですが、200Wを使った方が良いかもしれません。

次にサーモスタットですが、【ピカコーポレーションのFHA-PS30】という物を使っています。値段は7000円ぐらい。大抵は温室と一緒に売られています。このサーモですが、メモリと実際の温度が異なりますので、注意が必要です。あまり感度もよくないですので、実際に温度計を見て調整するのをお奨めします。

上段と下段の温度差

温室の上の方と下の方で温度差が生まれます。暖かい空気は上に行くからです。外気温がそれほど低くなければ問題ないのですが、寒い日だと丁度真ん中あたりを23℃にした場合、最上段で26℃、最下段で18℃ぐらいになってしまいます。

この温度差を解消するため、空気循環用のファンも売られています。私は逆にこの温度差を利用しています。幼虫の成長度合いに合わせて、初期のものや早く羽化させたいものは上に置き、中期でじっくり育てたい幼虫は中段に置いています。また下段は幼虫に寒さを感じさせる為に使います。その後に一気に温度を上げ、蛹化を促進させるためです。

加湿について

狭い空間でヒーターをつけているので、かなり乾燥します。対策をしていないと大体30%以下になってしまいます。こうなると菌糸ビンの中も乾燥してしまう恐れがあります。そこで、私は写真のようにヒーターの上に直にガラスのコップを置き、水をタップリ入れておきます。この方法で湿度50%ぐらいを維持できます。コップの中の水はすぐに蒸発してしまいますので、こまめに補充が必要です。

断熱方法について

ガラス温室ははっきり言って隙間だらけです。まあ無いよりましですが、そのままでは、かなりエネルギーのロスになります。私は断熱のために前面以外はすべて、お風呂で使う断熱シートをビニールテープでしっかり貼り付け密封しています。住宅用の断熱材を利用する方もいるようです。また、温室の気密性を高めるため、ビニールカバーをかけると効果的です。出し入れが面倒になりますが、これがあるとかなり違います。

電気代について。

上記の機器を利用すれば電気代はかなり安く済むと思います。実際計った訳ではないですが、月に1000円も行かないと思います。実際、東京の一番寒い時、外気温0~4℃、室温7~11℃ぐらいの時に、23℃に設定した場合、150Wのヒーターの稼動は70%ぐらいだと思います。これならパソコンの電源を入れたままにした時よりも電気は食わない筈です。ちょっと暖かくなれば、ヒーターが消えている時間の方が長いですね。

飼育数の多い人は、一部屋丸ごと使い、1日中暖房をつけているそうですが、これだと相当電気代がかかるでしょうね、、。

コメント